俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「デスノート 前編」
これって満足度高いだろうなぁ。私のとっては金子修介監督は、アイドルものコメディが一番得意と思うんですよ。だけどこれはいいですね。本人出演もいいです。脚本の大石哲也さん、あんまりよく知らないけどうまいですね。松山ケンイチさんは「大和」に出てた人ですね。うーん印象違う、いいことだ。
「俺ならこう撮る」をあえていうと、藤原竜也さん演じる主人公が犯罪のない世界を理想としつつ、自分が窮地に追いやられると罪なき人を死においやる犯罪に手を染めてしまうこと、その葛藤が少ないですね。自分が正義→正義の行動を阻止しようとする者は悪→だから死においやってもいいんだ。というのをもう少し丁寧に描けたらもうすごいのに…と思いました。じゃないと自分の恋人を犠牲にする理由がわからない。「愛していたかわからない」のセリフで片付けるのはちょっと乱暴かなと思いました。
細かい設定の穴はあるような気もするけど、愛嬌の範囲ですね。なかなか楽しめますよ。後半が楽しみです。
【2006.07.02 Sunday 03:01】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(1) | trackbacks(2) | - | - |
「初恋」
なかなか優れもののAD戦略。ポスターなどうまいです。普通ならキャスト並べちゃうところを宮崎あおいさん1本に絞って三億円事件の犯人といいきって見つめられた日にはもう。
映画は仲間以外の大人の顔を映さない演出が徹底的。あの名優も後ろ姿だけとかありますもん。その割に色んな演出的なバランス感覚は絶妙で、CGもキャラクター周辺もストーリーの構成要素も過不足ない感じで入っています。
宮崎あおいさんも「NANA」イメージを軽く乗り越えてるのがすごい。
「俺ならこう撮る」としてはJAZZ喫茶Bでのみすず(宮崎あおい)が何を会話しているのか気になります。あのグループの中での立ち位置がわからない。これがつらいですね。兄との関係を使って何かできそうなのに。
あと、私なら若い人に見せるという意味でも、大人とか体制への反抗心をあらかじめ煽っておきますね。「革命の戦士も若者、権力の盾になっているのも若い警官だ。若いもの同士で戦わせておいて見物している大人って汚い」みたいなことを言わせます。
すると精神的に傷ついている→肉体的にも傷つく→爆発して事件へという構図にみすずも誰もが共感しながら進んでいけるような気がします。今だと好きな人のためにってベクトルだけなので押しが弱いんです。そういう意味でもそれをフォローする広告はやはりうまいです。
【2006.07.01 Saturday 10:15】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「嫌われ松子の一生」
息もつかせないすごい作品です。たがこの匂いどこかで見たことがある。そう「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ですね、トーンの元ネタは。
これはもう中谷美紀さんの映画としかいいようがない。女優を目指す若い人たちは、自分がこの主人公、松子をどう演じるかを中谷さんと比較したらその実力がわかることになると思います。殴られ方ひとつでも同じ芝居のやり方をしない、これいいテキスト。「バタフライ・エフェクト」の女優さんがこのくらいの実力を持っていたらあの映画は何十倍にもより魅力的になっていたような気がします。
ストーリー的には基本的に瑛太さんのナレーションで進行していくあたりが、狙いとしてのファンタジー性を高めていますが、と同時にマックスになりがちな一生ものを小気味よく展開できる点でうまいと感じました。
また、CG処理も多いですが、煙りと水(雨や川)がキーワードになっていて、このへんは刺激的映像の中に日本がみえて「夏時間の大人たち」みたいな渋い作品を撮っていた頃の残滓があります。
それはともかく「俺ならこう撮る」としては、妹役は柴咲コウさんにやらせたいよなぁ、やっぱり。日本が沈没しようって時に出れないか。
こういう作品の場合、広げた風呂敷をたたむのが難しくて、本作の場合もそこはちょっとステレオタイプな感じは受けます。川と天国へのイメージ。名前を忘れましたがビートルズのドキュメンタリー全集のビデオがあって、そのラストの巻にライブラリー映像をがんがんに合成させて鳥瞰映像でつなげているシークエンスがあります。あそこまでやれたらすごいですけどね。
階段もストーリー上やむをえないけど、あれだとテーマは見えない、というか定着しない。どうとでもとれちゃう。
川を上る、家に帰るっていうのを雨にしたら? 「おかえり」と妹、階段をのぼる、妹が手をさしのべて、手を取りあった瞬間に雨音が止む、ここはアップとかなくて、カメラ引いていくと部屋が消えて陽に包まれた階段がずーっと続いている。これの方がわかりやすくない? これなら「和解」とか「許す」とかテーマとして前に出ますよね。
【2006.06.21 Wednesday 06:07】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(3) | - | - |
「LIMIT OF LOVE 海猿」
前作が映画館で見れなかったので、DVDで予習。これが青春映画としてなかなか面白かった。これを見ないで2作目を見ると味気ないことになっていたと思います。
ま、船の傾き具合と中のセットとの傾き具合があっていないのはご愛嬌。
時任三郎さんのようなキャスティングは嬉しいです。光石研さん、津田寛治さんがいい。これだけ集まると間に挟まれている白髪のモノ言わぬキャストが気になってしまう。私的にはリポーター浅見れいなさんに不意をつかれ泣かされそうになりました。
非常にストーリーテリングとして計算され尽くされていてブレがないのが面白さの価値を決めるポイントになっている映画だと思いました。非常に類まれな演出力でシナリオのやばいところをうまく逃げているのは勉強になります。生と死の狭間で起こる葛藤がクライマックスでテーマとしてあるわけですが、前作はバディを見殺しにするかでTo be or not to beになるのを、みんなで助けに行って解決しちゃう。本作でも二人助けられずに、どちらかを助けるかの葛藤が、船が逆に沈むことで解決しちゃう。それが「えっ?」と疑問にならないところがこの監督のすごさで、説明しない。見せない。結果がこうだ。って言うだけしか言わないから納得するしかないわけです。本来そこにハッピーエンドなんてなくて厳しい現実があるんではと思うけど。
「俺ならこう撮る」としては、そこに納得できるアイデアが欲しいです。「タワーリング・インフェルノ」の貯水タンク爆破みたいな逆転ネタが欲しいです。それがあると、私はハッピーエンドを支持できます。それからもうひとつ、疲れが欲しいです。伊藤英明さんのキャラが実直すぎて、人間的な弱さがないんです。二人助けられなかったのに悩んで結婚できないなんていうのは、スーパーヒーローの悩みですよ。吹越満さんのやってたあの役が人間だと思うんです。伊藤さんにはせめて疲れて欲しかった。逆ギレするとか人間的な面を見たかった気がします。
ま、そんなような意味では、本作は面白いけど、人間が出てるということにおいて、前作の方が好きかなぁ。
【2006.06.19 Monday 04:02】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「セキ★ララ」
日本映画月間ということで、松江監督のAV発山形ドキュメンタリーで話題の作品を見てきました。

正直最初はAVとしても※ドキュメンタリーとしてもちょっと食い足りない感じがしたのですが、数分後にはそのバランス感がかえって面白い気がしてきました。食べやすいというか。ドキュメンタリーというと非日常的なゆがみとか苦みを告発するような味の、何か月も取材するようなフルコース料理がその傑作の部類にあげられるわけです。しかし、本来はこんな日常の中でぼやきに近いような感覚のファーストフードのように食べられる作品ってものが必要なはずで、その日常性のカッコつけない重たくない感じが新鮮なのです。
「俺ならこう撮る」としては…といいたいところですが、これは自分には撮れないなぁ。助監督の朴くんに外注かも知れない。ただ、私自身としては初期のAVにドキュメンタリーの流れをくみ上げた代々木監督崇拝者だったりするので、カラミとその人となりがもう少しOLするような構成にはしたい。だが松江監督以上には作品に愛を注げないし、そのドライな感覚が時代の主流なのかも知れないです。

※AVじゃなくしているわけだからAVとして食い足りないのは当たり前なのだが、残しているカラミのシーンを見て、男子としてはもうちょっとワクワクしたい気もします。(笑)
【2006.06.17 Saturday 03:08】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
「陽気なギャングが地球を回す」
普通に面白い。CGや場面転換とか目がいってしまいますが、ここはキャストに注目したいです。主演4人の中では別格に佐藤浩市さんに1票ですが、大倉孝ニさんや光石研さんがいつものイメージとちょっとずれていて面白い。こういうある種のマンガチックな作品でこの真面目なキャスティングは好感がもてます。
「俺ならこう撮る」としてちょっと気になるのは舞台のトーンの統一感のなさかなぁ。銀行セットをわざわざカラフルに2店鋪、レトロな感じで1店鋪としているのですが、そのリアリティのなさが狙いだとすれば、ロケシーンとかフィルターかけまくるとかしたい所です。他のロケセットなどの普通の空間かげんがどうもバランスが欠けていて、デザイン的に美しくないわけです。要は大倉さんが登場するクラブより銀行の方が異空間に見えてしまうのが気になって仕方ないということですね。なぜああいう銀行にしたのかよくわからなくて、日常的に見る銀行に押し入るからストレス発散できるんじゃないの?と思うのですが。
ま、でも些細なことですね。基本的には好きな作品です。
【2006.06.13 Tuesday 04:26】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「県庁の星」
ほんと久しぶりの「俺ならこう撮る」です。忙しくて。

仕事柄、女優の卵のような人にオーディションで会いますが、そこで最近「好きな女優」「目指している女優」として小雪さんや柴咲コウさんの名前がよく出るようになりました。そんな時、売れててうまいひとは他にいるだろ「おいおい」とツッコミを入れたくなります冷や汗
が、小雪さんは「三丁目の夕日」ではじめていいと思い、柴咲さんは「バトロワ」以来普通の人の役ができない筆頭キャストバッドとして私の頭の中を長く占拠していたわけです。
本作「県庁の星」星ではプロなんだけどパートで、ちょっとやる気も失せはじめている店員という役柄で、ここはキャラクターの良さもありますが、ようやく柴咲さんの当り役がきたような気がします。これまでの他の作品は柴咲さんでなくてもいいと思いましたが、これはその存在感を確実に示した実にいいヒロインとなっていましたラブ
実は一様の満足感のある作品楽しいなので「俺ならこう撮る」といったこともないんですが、ちょっと定番的かも。悲しいシーンに雨が降るみたいな。プロデューサーだったら、かつて「自主映画の星」だった脚本の佐藤信介さんにそろそろメガホンをとらせてあげたい気もします。グッド西谷監督もうまいですけど拍手
【2006.03.24 Friday 20:54】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(2) | trackbacks(1) | - | - |
「有頂天ホテル」
長回しなど映画的に作ろうとしていますが、結果は演劇的。
舞台で見たら実に面白いんだろうなぁ楽しい
「ラジオの時間」ではドタバタの演劇的な会話が、舞台と同様「想像して楽しむ」という方向に向いてくれるので、それが映画としてもうまく機能を果たして傑作となった気がします。今回はそういう仕組みになりにくい中、それぞれのキャラを有機的に結合しなければならないのでシナリオとしては難しいですねたらーっ
またどこまでリアリティをもたせるか?というのも難しい所で、比較的ありえない要素を大きくしたドタバタコメディ風の着地点を狙っています見るこれは興行的には正月映画らしくもありいいのですが、作品的には共感できるキャラクターが見えにくくなり損をしているような気もします。
こんな中で不真面目な苦悩を見事に演じている佐藤浩市さんはさすが。原田美枝子さんもいい。篠原涼子さんは役としておいしいですねモグモグ
「俺ならこう撮る」としては、役所広司さんのキャラをなんとかしたい。元演劇青年だとしても元妻の出現にあそこまで常軌を逸した行動をとるには、もう少し激しいバックボーンがないと納得できない冷や汗私としてはむしろあんなに遊ぶキャラクターには設定せずあくまで常識的に反応するShall we danceキャラでいいのでは?と思います。ま、本人がやりたいかは別ですが。。。
あと気になるのが、最後のロビーのシーンがいきなりスタジオに見えちゃうしょんぼり
なので最後はミュージカルにしちゃったら…と思いましたグッドそれぞれの踊るカットにクレジット。幕が閉じてエンドロールと拍手
いかがでしょうか?
【2006.02.15 Wednesday 11:38】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「輪廻」
おおーっ、あけおめ、ってもう2月になってる!
1月に見ておきながら忙しくて書けなかった「輪廻」をまずは。
完璧にネタバレしますのでよろしくです。

同じ清水崇監督の「呪怨」から比べると知ってる顔が多い分怖さは減少気味。一見器用っぽい優香さんに元々は惹かれ具合の少ない私としては、逆にスター性が消されているオーディションを受けているあたりのやりとりが妙にリアルで説得力があってよかった祝
監督役の椎名桔平さんは実は殺された男の子の生まれ変わりということで、それを知ってか知らないかはわからないが、自分の最も興味ある題材として35年前の連続殺人を映画化する衝動に駆られているというのは、監督としてはかなり理想的で正しい姿グッドということですね。シナリオを書いている姿はちょっとつくりすぎ感もありますが決まっているという意味では絶品で、あーいう監督になりたいわぁときめき
前の記憶が残っているという不思議ちゃん役の松本まりかさんは今後ちょっと押さえておきたい印象がありますラブ
そんなことで、前半はなかなかのっていける素晴らしいテイストなんですが、後半の霊みたいのが、ゾンビ的な動きで襲い出すあたりで「あれっ!?」となってしまいました。日本人があの動きをやると、決して「バイオハザード」にはならず「ゆうばりゾンビ」(インデペンデントのゾンビもののコメディ作品)になってしまう。これは清水監督の「怪奇大家族」的ユーモアなのか、単に私が「ゆうばりゾンビ」を見てたからいけないのか冷や汗
ストーリーも過去の大殺戮が再現されることを期待していた私を裏切って、優香さんまわりだけに集束、最後には彼女の頭の中だけになって、予告に使われているシーンで終わるって、そりゃあないよなぁ。。。悲しい
ということで「俺ならこう撮る」としては、やはり11人の連続殺人が再び…という流れで、映画どころでなくなる中、ひとり椎名さんが映画を撮り続けようとして狂っていく感じにしたい。優香さんが襲われるあたりでストーリー上の実は…というが出てくるマル秘
また過去の8ミリホームムービーとのカットバックは絶妙に。シーンごとにカットバックじゃなくて、カット単位で前世、今の現実、8ミリ、劇中映画のショットなんかが交錯してカットバックされたりするとかなりカッコいいと思ったりしますグッド画質や色も変えてね。
最終的に優香さんに集束させるなら、2003年に公開された「アイデンティティー」というミステリー映画みたいな落としこみ方もありかもです楽しいただこれだとパクりでない領域までもっていく工夫が必要ですが。
【2006.02.02 Thursday 04:17】 author : koshiy2010 | 日本映画2006 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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