俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「メランコリア」虚飾を排することの大切さ
「ミッシング」クランクイン直前で、何か足らないんじゃんないか病にかかっています。
で、見る映画見る映画が面白くて仕方ないです。

「メランコリア」は、ある重要な決断をする前に見た映画でした。なので私にとっては、かなりツボというか、この瞬間の指針を与えてくれる映画になりました。

予告を見ると、これは何がなんだかわからない。「ザ・セル」もそうでしたが、何かすごそうなビジュアルが続くアート系映画のようです。ですが、「ザ・セル」は普通にスリラーだったし、見せないことで引っ張られることもあります。決して、外野から聞こえてくるキルスティン・ダンストが脱いでいるという言葉に惑わされたわけではありません。笑

で、本編。
まずは、惑星がぶつかる話なのにタイトル手書きですからね。笑
(作品を見ればわかるんですが)

そしてトリアー監督お得意の章だて構成。
第1章では、キルスティン・ダンストの結婚式の騒動が描かれるわけですが、オープニングがすでに全編のテーマを象徴。やがて、結婚式の場でも仕事をさせようとする上司にダンストさん、キレて辞めるといい出します。ま、そりゃあそうだよね、と唯一前半の彼女の行動で一般的に共感できる行動。それ以外は結婚式に遅刻したり、式の途中でゲストを待たせてお風呂入ったり、しまいには彼との初夜を拒絶したりなど、奇行この上ない感じ。
第2章は、一人でタクシーにも乗れないくらいになっちゃったダンストを姉夫婦のシャルロット・ゲンズブールとキーファー・サザーランドが引き取り、共同生活。二人には、男の子がいて、ダンストはこの男の子とは普通にコミュニケーションしています。
サザーランドと男の子は、ぶつかるとは信じていないのか、惑星観察して親子の楽しい時間を過ごしており、ゲンズブールだけが不安に陥っているという流れ。

田舎町舞台の話としても、惑星が近づいているのがわかる装置は手製の針金細工というのがすごい。インターネットも出るけどほんと少し。

そして、惑星がぶつかるとわかった瞬間にこの四人がとった行動が、まさに私たち人間が本当に困った事に直面した時にとる行動そのものなんです。
その瞬間を迎えるときにゲンズブールさん、ワインで乾杯なんてことを言い出してダンストさんに否定されます。人類滅亡の瞬間まで、そんな虚飾に満ちた幸せを追求してどうなるの?ということですね。ゲンズブールたちに生計的には支えられていたダンストですが、実は生き方としては、超越していて、無の世界に入っているわけです。
男の子もそれに近い無垢な気持ちでダンストのおとぎ話にのっかります。

そうなんです。みんな死ぬんです。
でも、その瞬間、ある者は覚悟を決めて、運命に従うんです。生きている者の摂理として。
それに気づけること、そこで無に戻れることがこの映画のハッピーエンドなんです。
そう考えれば楽になれますね。逆に勇気が湧いてきます。
 

【2012.03.08 Thursday 10:40】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「マイウェイ 12,000キロの真実」真実でないと叫ぶのは術中にはまってる
色々言いたくなる映画でした。
でもそれは、エクスプロテーション的な戦略に違いない。つまり、「真実でない」と叫ぶのは製作サイドの術中にはまってるということなんです。

ここで作品のテーマとしてピックアップしなきゃいけないのは、二人の男の友情より、国が変わっても、権力者とそれに仕える者の関係が存在し続けること、その権力のこっち側にいるかあっち側にいるかによって運命が変わるということのような気がします。
二人の男の友情は、それを補完するものかサブテーマに過ぎないと思います。だって尺の割にオダギリジョー、チャンドンゴンともに人間の描き方はシンプルすぎですもの。有能な脚本家なら、この手だったら、二人の関係をくっつく、離すを繰り返して、だんだんと友情が芽生えていくようにすると思うんですよね。要はチャンドンゴンがいい人すぎるというか、悩まなすぎるということですね。

そう考えれば、政権が変わっても、民衆の運命が変わらない、今の日本に通じるものがあるはずで、ヒットの可能性を持てた作品だといえます。

しかし、アクションやりたい放題ですね。日本映画にない迫力って言う人もいますが、問題は予算です。自国映画の上映を映画館に義務づけたりする国策のある国のプロデューサーなら20億円くらいかける映画をつくろうと思いますが、今の日本では難しいですよね。
 
【2012.02.16 Thursday 19:19】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ワイルド7」漫画だが、みるべきものはある
「ミッシング」シリーズの次作のシナリオ執筆中に見たので(というか、今も直し中ですが)、そこに目がいきます。

トレーラーを内部から銃弾で撃ちまくって、穴をあけて突き破って、登場!とか(アンタそんなに装甲薄いなら、敵も撃つだろう!)漫画描写多数で、私でさえ突っ込みしたい気になりますが、アクションもとより、作劇はしっかりしています。

当たり前といえば、当たり前なんですけど、今回の一番の黒幕と、ワイルド7チーム全員をちゃんと会わせておいたり。実は、こういう勢いでいけちゃう作品って、そういうのをスルーしがちになっちゃうんですよ。あと、ちゃんと伏線回収しているし。

ということで、私的には評価しちゃいます。

ということで、あと数日で「ミッシング」をなんとかしなきゃいけない。

【2012.02.09 Thursday 22:17】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(5) | trackbacks(0) | - | - |
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