俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
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「アナと雪の女王」あえて問題点を指摘してみた
まぁ、そんなことを言える立場でないことはわかりつつも。笑

「レ・ミゼラブル」もそうなのですが、最近のミュージカルは詞が強く前面に押し出されて踊り(動き)を見せるというよりかは、いかに歌を聴かせるか、ということに力が入っているようです。
これは、ミュージカルの特性上、歌(曲)シーンになると、ドラマが止まる、サスペンスが止まるわけで、舞台なら、その間は生の歌なり、踊りなり、演奏なりを楽しむ時間と割り切れて、その時間を楽しむわけです。しかし映画は舞台ほど様式というもの相いれないメディアなのか、その見せ場が逆に作品のリアリティを阻害し、物語世界から一歩引いてしまう懸念がつきまとっています。
過去の名作と呼ばれるミュージカルを見て、見事だけど冗長と感じることはないでしょうか? これは現代との映画のテンポ感の差というよりかは、当時の観客が映画館でイベントとしてミュージカル映画を見ているのと、今の僕らがDVDで家で見ているのと差、つまり、より演劇空間的なイベント感を持っているかの違いのような気がしています。

そこで現代のミュージカル映画をつくるクリエイターたちは、歌をより強調する方法を考えつきました。メッセージ性の強い歌をできるだけ入れて、ドラマやサスペンスが止まらないようにしているわけです。
そうすると、どうしたって、「ありのままに」と絶叫していくことになるわけですが、これが映画の物語として本当に幸せな事なのか? よく言えばオペラですが、悪く言えば説明ゼリフです。いずれにしろ舞台の手法です。
しかも、有名な歌いながら氷の城をつくるシーンは、実写映画の見せ方ですよね。魔法だし、アニメなんだから、もっと違うやり方があるような気がしてしまいます。

そう考えると、呪われた手の表現は岩佐真悠子主演の「受難」の方が映画的な気がしてしまいます。こちらは男の股間を折る能力があるのですが、男にとっては氷の世界より怖いです。笑

また、あれだけ寒いのに、息の表現はわずかで、ここぞという所のみ。氷の形を増やすより、息の表現を増やすことの方が画面映えはいいような気がしますが、どうなんでしょう?

だからといって嫌いじゃないです。英語版は絵と字幕を追いかけていたら、つかれて眠くなっちゃいましたけど、日本語版はそんなこともなく、演出上も、王室なのに、神田沙也加さんにああいう普通のしゃべりかたさせるとか、子どもたちがついていきやすい工夫がありました。演技ばかりが評価されていますが、日本版の音の演出も評価して欲しいと思います。比較して見ているわけではないので、どこまで工夫がなされているかはわからないけど、字幕が声になった以上に見やすい印象がありました。

ということで、どっぷりハマっている女子を尻目に、映画じゃない、オペラ見ているんだ、舞台見ているんだ、と脳内に思い込ませて、さらに、日本の音響演出の気配りを発見しようとするのが、この映画の正しい見方のような気がします。
 
【2014.07.24 Thursday 17:12】 author : koshiy2010 | 外国映画2014 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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