俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
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「風たちぬ」70を過ぎても我々を驚かせ続ける
監督はもともとは「もののけ姫」で引退をほのめかしていました。
それにふさわしい傑作だし、今でも監督作の中で一番好きなのですが、ここにきて「風たちぬ」という傑作を生み出してしまう。おそるべし。

ここではあまりみなさんが触れていないことを書きたいと思います。

ご存知の通り、夏というのは、映画興行においては稼ぎ時なのです。そしてかつて(80年代くらい)は「戦争もの」がここにぶつけられてなかなかの稼ぎ頭だったのです。
そうか、ジブリで、戦争もので、夏公開なら、これは鉄板ですよね。
今映画映像業界は、厳しい闘いを強いられています。DVDレンタル稼働の低下が大きな原因と考えられますが、ジブリでさえ、今年は2本公開。90年代終りから2000年初頭は2年に1本作っていれば経営できていたものが、そうやらなければ食えないってことなんだろうと推測するわけです。その2本が、宮崎監督と高畑監督というのもあとがない感がばしばし伝わってきます。
つまりできれば100億を超える作品が2本、日本の映画興行に欲しいってことなんですよ。

とはいえ、アートの観点から言うと、ジブリに松本零士みたいな作品はあわないわけで、そんな中でどういう作品をつくるのかが興味でした。
「もののけ」の時は、日本の社会システムが確立したとされる室町時代頃を背景に、要は文明が近代化していく中での人間の矛盾が描かれていたと思いますが、今回はそんなに哲学的ではなく、もう少し身近な人間を描こうとしたのだと思います。
ファンタジーの武器をあまり持たない人間ドラマ系スタートの監督・作家にとっては至極当たり前のことが、ファンタジーの武器を持っているがゆえに封印されていたわけです。
そこのアニメらしくない所にいまさら挑戦するというのがなかなかどうして、ぼくにとっては感動的なわけでして、70という歳を過ぎて、今までと違うやり方に挑戦している。
そして、そこで描かれているのも社会と人間の真っ当な矛盾。主人公は馬鹿なふりして零戦をつくるわけだけど、ここに描かれない部分で論議を呼びたい気持ちは伝わってきますね。
さて、みなさんはどう見ますか。
 
【2013.09.02 Monday 22:54】 author : koshiy2010 | 日本映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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