俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「悪の法則」21世紀のニューシネマ
おいおい、サスペンスやスリラーというのは、助かるか助からないかで手に汗握るものなはず。なのに、助からないの決定で物語が進んでいく。
しかし、これは興味深い。秘密保護法がいつの間にか通っているのと同じように、いつの間にか、戻れない所に来ている。しかも本人に本来過失はない。
ネタバレになるが、殺される前に終わる。観客は宙吊り状態で劇場を出るわけだ。

素晴らしいのは伏線に満ちたセリフの数々。そして本当の意味でのカーセックス。笑
なんだか21世紀のニューシネマとでも言えそうな構成と結末。恐るべし。
 

 
【2013.12.19 Thursday 12:18】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「スティーブ・ジョブス」重大な見落とし
「バトル・オブ・シリコンバレー」という傑作があるから、アントレ系映画にした方向性は間違ってないと思う。「ソーシャル・ネットワーク」だって評価されていたし。
描いている時期も順当ではないか。
まぁ、恐れていたほど悪くなく、元気が出る作品だった。

なのに、なぜ物足りないのか?
3つ失敗しているからだ。
まず、当時のApple2やMacintoshが何がすごいかわからない。もう時代が違うから説明しなくてはならない。説明がないからあんなに都合よく投資家や助ける人々が来るのかがわかりにくい。
第2に、主人公に共感しにくい。少なくとも、リサ認知はしっかり描くべきだと思う。そこでの成長を恥ずかしがって描かないから意外性がなく、キャラクターの魅力を落としいる。
第3に、結論がおかしい。確か株価か何かのスーパーが出て終わるが、会社の価値を高めることが、この映画の中のキャラとしてのジョブスの目的ではないはず。あれは「○○○○年、Appleの製品は世界で○億人が使っている」みたいな、そんな統計はないかも知れないけど、製品が中心の終わらせ方にしないと、何のための2時間だったのかが理解不能になる。

「バトル・オブ・シリコンバレー」も「ソーシャル・ネットワーク」も青春の一コマが感じられるのである。願わくばそういうのが欲しい。
 
【2013.11.27 Wednesday 22:42】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「グランド・イリュージョン」評価が高い理由がわからない
一応、元マジック研究所です。
確かに、前半から最初の強奪まではいいんですが、その後マジックのネタとしてはだんだんしょぼくなっている気も。
だって、ミラーって、狭い箱なら視界が狭いので成立するけど、あんなに大きかったら自分が写るはず。100歩譲って壁だとしたら、奥行きが感じとれるはずだし。
勢いあるから気がつきにくいけど、冷静に見たら突っ込み所は多数。
そして、あのラスト。すべてをひっくり返して、それをやったら何でも有りでしょ。呆然。
それを突っ込みながら見るならいいんですよ。だけど、世のレビュー見ると、そこそこリアルなものとして評価されてたり、うーん…。
【2013.11.19 Tuesday 23:11】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ヒッチコック」vs「リンカーン」いい映画なのに、引っかかる何か
両作とも満足度は高い映画でした。

「ヒッチコック」は、あの頃のアメリカ映画の状況の中で戦うヒッチコックが絵として見れるだけでも興味深い。「サイコ」はそうか、1960年か。アメリカも含めて映画でヌードが解禁になっていくのは60年代後半だから厳しい頃ですね。浮気話なんかのグレーな所に触れているのも好感度高し。一見ヒッチのライトユーザー向けだが、ミュージカル映画嫌いのヒッチに、「ミュージカルでもつくるの?」みたいなセリフがあったり、伝えきれないニュアンスを残す努力があって感心してしまう。

一方「リンカーン」は、奴隷解放の戦い。「ヒッチコック」はかみさんが、よき協力者だが、こちらは病み気味で、むしろシナリオ用語でいう「障壁」の存在。こちらも、約束守らなかったり、買収に近い役職を与えたりと、グレーな部分があってよかった。意外に地味な政治映画なので、スピルバーグの中では「シンドラー」に近い路線なのかも知れない。

2作とも、本当に奇跡的に面白い作品なんだけど、ずっと何かが引っかかっていた。

「ヒッチコック」で夫婦でともに、あるいはもうひとりのヒッチコックというのが、作り手側の本当に描きたいテーマなのか、興行的にあたりがいい観点のような気がしてならない。特にアメリカ映画界は家族愛ブームらしいし。
また「リンカーン」も、現代のオバマ時代へ通じる社会性を持ってはいるけど、スティーブンスと違って、リンカーンが奴隷解放に動きたくなるエンジンが描かれていないのが、いいものなのか。

となると、両作ともシナリオ上の起承転結の「起」の部分、セットアップなどともいうが、ここのつくりかたが間違っている気がする。
「ヒッチコック」は浮気あるいは女好きなエピソードが頭の方に欲しいし、「リンカーン」は奴隷制の問題提議をあらためて最初に見せておくべきだと思う。さらに奴隷制維持論者の主張も聞いてみたい。そういう強さが欲しい。「そろそろ引退では?」はヒッチを発奮させるきっかけとしては弱いような。

私たちにとっては、現代日本に「ヒッチコック」や「リンカーン」にあたる、またはなりそうな人物がいるか、ということも考えなければならない。そうなると、もっと煽って欲しいなと個人的には思ってしまうのだ。
 
【2013.04.28 Sunday 13:15】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ジャンゴ 繋がれざる者」救いの映画になった、ほか
最近、仕事はしているけど、ポジティブでいられない瞬間があって、人と会ったりして何とかやっている感じです。

そんな中で「ジャンゴ 繋がれざる者」は救いの映画になりました。あんなに血まみれですが。笑
結構、精神安定のため、映画は見ているのですが、
「アンナ・カレニーナ」
舞台映画だ、そこはユニーク。しかしめんどくさ過ぎるぞ、この主人公。
とか
「ザ・マスター」
おお、宗教で救われないのはリアル。「市民ケーン」かと思ったら、「時計じかけのオレンジ」だった。65mm使ったり、面白いやり方はしていて、映画的なんだけど、主人公の心の傷は観客が想像するしかないから、個人的にはのりにくかった。
とか
「クラウド・アトラス」
哲学的ですが、弱ってる時に見るとダメですね。ぺ・ドゥナだけが癒し。結局現世の生き方に自信を与えてくれる映画ではないから。
とか
「王になった男」
上の3作よりは気楽に楽しめる。ただ、権力に対するもう少し皮肉な視点が書き出せなかったかと思っちゃう。
とか
「ジャッジ・ドレッド」
前のスタローン版を見ていると、こちらがそれに比べていかに低予算の中で考えて作っているかは理解できる。しかし「ジャッジ・ドレッド」という名前でこの規模感に憂鬱さはあるんですよね。
とかいった感じでこちらの手をとってくれる映画にはなかなか会えませんでした。

「ジャンゴ 繋がれざる者」は、奴隷状態からの再起映画で、最後にジェイミー・フォックスが復讐に向かう時、それを三人の別の奴隷たちが目撃しているシーンが素晴らしいです。自分たちもああなれるかも、あるいは、違う生き方を発見するという。おすすめ。
 
【2013.04.12 Friday 13:13】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「世界でひとつだけのプレイブック」拾い物ほか
若干都合良すぎるラストだけど、「世界でひとつだけのプレイブック」は拾い物だった。
最近、舞台以降、あまりいいこともなく落ち込んでいるし、やる気が半減している。そんな時にうってつけの作品だった。「TED」や「ダイハード ラストディ」ではこの、ギリギリのコメディの危うさを超えることはできない。キャラの立ちぐあいが半端じゃない。
ジェニファー・ローレンス、日本の22才の女優でこんな役ができる人がいるのかどうか。

しかし「ダイハード」は無茶だ。ネタバレで言うけど、1作目は人が窓突き破ったりする時にちゃんと先に窓ガラス撃っているんだよね。今回は「アイアンマン」になっちゃってる。ウランのある施設で撃ちまくったり、最後ウランの載ったヘリを落としてるし。まぁ、放射能を中和するガス(SF?)が効いているのかも知れないけど、そんな大量に巻いている体ではないので、普通ならジョンは親子共々被ばく確実ですよ。
僕に言わせると、ウランより、放射能を中和させるガスを持っている方が世界征服できますね。

ついでに「フライト」。こういうのを見ていると、アル中でも生きていける気になってしまう。
演出力、脚本力は素晴らしい。
だけど、冷静に考えると、そもそもあそこまでのアル中・ヤク中が、機長でい続けていることに違和感はある。あくまで「フォレスト・ガンプ」的ウソのいい話なんですね。
 
【2013.03.16 Saturday 13:19】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「アルゴ」「ゼロ・ダーク・サーティ」は本当にいいのか
「アルゴ」がアカデミー作品賞とは、信じられない。
僕らが映画を見出したころ、作品賞は「ディアハンター」とか「クレイマークレイマー」「普通の人々」だったから。でも、ちょっと遡ると「M★A★S★H」をおさえて「パットン」とか入っていることもあるからいいのか。

もう、3月にDVDが出るってことは、B級映画のリリーススケジュールで、期待はしていなかったのかしら。
決して悪い映画でなく、娯楽映画としてよくできているとは思います。

「アルゴ」も「ゼロ・ダーク・サーティ」もドキュメンタリーっぽいつくりが随所にあって、そこを評価する声もあるけど、今さらですよね。
例えば、はるか前の「存在の耐えられない軽さ」のチェコ動乱のシーンの方が演出的にははるかにショッキングでうまい。

「アルゴ」は架空の映画が人々を救う話。映画愛の観点からしても、去年の「アーティスト」や「ヒューゴ」におよばない気がするし、どこにこの作品ならではの、新鮮な面白味を発見すればいいのか迷ってしまう。それが「スターウォーズ」風のフィギュアや画コンテではないはず。映画をつくるワクワク、人を騙すワクワクが伝わってこないんですよ。要は作らないにも関わらず、真剣に大人が演じたり、デザインしたりみたいな、それがあって、後半のイランシーンに繋がるともっとのれると思いました。

「ゼロ・ダーク・サーティ」は、人に言わせると、毒で毒を制するというか、怪物と戦うため自ら怪物となるようなお話で、「ハート・ロッカー」ピグロー監督が題材に惹かれるのはよくわかりました。
しかしながら、描かれている拷問シーンはやはり優しすぎでは?
こちらは、より時代が近いので、「アルゴ」ほど勧善懲悪にはできないはず。アメリカ的な主観のみで突き進むのは、やはり違和感を感じます。
娯楽映画として見ても、敵ボスの存在感(ほとんどでてきませんが)がないから、制圧した時のカタルシスはない。ま、なくてもいいんだろうけど。
こちらも、どこに魅力を感じたらいいのかと。

見方間違っているかなぁ、「ハート・ロッカー」の方がよかったよねぇ。
 
【2013.03.06 Wednesday 16:17】 author : koshiy2010 | 外国映画2013 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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