俺ならこう撮る

映画監督・プロデューサー越坂康史の「もしも」の偏愛的映画感想と日常。
「レ・ミゼラブル」映画なのに演劇的
怒濤の日々の合間に無理矢理時間をつくって鑑賞。
というのは、「学校に原発ができる日」の脚本の参考になるかと思って。

う、なりますね。
人物の出し入れがうまいわ。

セリフがほとんどなく、すべて歌になっているのは「シェルブールの雨傘」風。
その分、映画的リアリティは欠如、反体制側が馬鹿に見えるが、
映画でなく演劇として見ればよいわけで
出演者の熱演とともに価値ある1本でした。
 
【2012.12.28 Friday 01:27】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「アイアン・スカイ」拾い物のブラックジョーク
ここ数日は怒濤の忙しさでした。新作「ダークナイト・コレクター」の撮影の前に「ヘルパースケルター」編集、「テルマエ・エイリアン」と「ヘルパースケルター」の関係者試写、VP案件に加え、そろそろお知らせできる野心的企画をクラウドファンディングでやろうなぞと考え、そのプレ映像なんかを撮っていたのです。

クラウドファンディングとはインターネットで不特定多数の人から小額出資を募る資金調達システムで、来年のプロジェクトで活用したいと考えているのです。

そのクラウドファンディングの大先輩が、この「アイアン・スカイ」。世界から1億円を集めた作品でした。
普通なら、飲み屋の会話をそのまま映画にしたB級コメディにしかならないネタのはずなんですが、意外にも国際政治の微妙なニュアンスを汲み取って、かなりの拾い物になっています。
演出的に感心したのは、ヒトラーが好きという「ワルキューレの騎行」が、アメリカをはじめとした地球防衛軍みたいなチームによるナチスの宇宙戦艦を撃ち落とす所で流れること。ま「地獄の黙示録」と同じ方法論なんですが、その前にナチス側でワグナー好きみたいな前フリがあったので、てっきりナチス側が地球に攻め入ってくる所で流れると油断していたんです。

ちなみに日本は宇宙戦艦でも特攻してました。「さらばヤマト」ですね。
 
【2012.11.01 Thursday 02:03】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「最強のふたり」ド定番を考察ほか
「最強のふたり」の魅力の説明がつかなかったんです。
設定はかなり定番的で、普通ならあまり好きにはなれないタイプの作品なんです。確かにヒトラーネタなどフランスではギリギリな感じなのもあるし、アクションもある。
で、めぐりめぐってついたのが、あの二人は国を暗喩してまいかと。
あの微妙な距離感の取り方は、アメリカのバディ映画にもないし、アメリカ外交にもない。フランスの外交があんな感じかはわかりませんが、日本人にとっては理解できる距離感なのではないかしら。
素晴らしいのは、必要なのに解雇しちゃう所、ここが肝ですね。友情にシフトしたってことですよね。

くりりんの「蝉の女」もド定番ラインなんですが、これは苦手。舞台挨拶でどなたかが、ロマンポルノっぽいとおっしゃっていましたが、当時のポルノってやはりそれなりにアナーキーな思考の上につくられていたと思うんです。
今の若い人たちはこれを発見と思って、満足しちゃうかも知れないし、当時を知る人にとっても懐かしさになるかも知れないんですが、私はやはり「今に対する抵抗」が描かれていないと、裸とか暴力とか、不幸とか、そういうものがすべて空回りな気がしちゃうんですね。
ただくりりんがああいう役できるんだ、という発見の喜びはありました。

ふたりつながりで「夢売るふたり」も書こうと思いましたが、時間ないや、また今度。
 
【2012.09.24 Monday 02:32】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「THE GREY 凍える太陽」しぶい、しぶすぎる他
なんだか最近、ショーゲートさん配給のによくあたります。
「THE GREY 凍える太陽」はエロのない「ミッシング」みたいな作品でした。どうあがいても助からないみたいな。どん底に落ちると、こうならないかな、なんて思って思わず宝くじなどを買ってみたりしちゃいますが、当たらないです。
結局自分で切り開くしかないんですよ、という映画でした。でも助からない。ただ、あの状況の中で事故現場から移動するのが正しい判断だったのかはわかりません。発見もされにくいでしょうから。でも、男の生き方の切なさが出ていてよかった気がします。

一方、女の生き方の切なさは「おおかみこどもの雨と雪」です。
この昭和のような不器用な生き方は、時代設定が昭和っぽいので、いいとして、ちょっと気になるのは「オオカミとの獣姦」をすんなり童話とはいえ受け入れちゃうお客さま。
「え、、、、」ありなんだ。「ミッシング」以上じゃない。
ま、これがちょっと前の外国人パートナー、あるいは戦前の朝鮮人差別の暗喩なら、なかなかすごい狙い所です。脚本が「八日目の蝉」の奥寺さんだけあって、前半の振り切ったラブストーリーも実はそれほど嫌いではないんです。
ところが、こちらは「八日目の蝉」のように追い込まれてはいかず、ファンタジーな田舎の優しさで解決してしまう。
子供の成長との確執はなかなか描かれているとは思いますが、本来は、好きとはいえ、オオカミの子供をつくってしまった母親の意識、「間違っていたのだろうか」という所を悩む物語、最終的に「間違っていなかった」でいいんですけど、そこをやるべきでないかしらと思います。子供が自分が他の子供と違うことを比較的安易に受け入れているのが引っかかります。
だって「八日目の蝉」で井上真央ちゃん悩みまくってましたよ。だから後半は退屈でしょうがない。あるいはアニメらしいコメディにするなら、オオカミと人間のカルチャーギャップをやって面白がらせればいいはずだしね。うーん。

「桐島、部活やめるっとよ」もついでに。
これ、なかなか勇気ある企画。どう考えても、クライマックスを盛り上げにくい。
空気はよかった、みたいにする演出のベクトルはよくわかりました。
さて、でもこちらは最後に橋本愛さんはじめ、非映研メンバーの襲われ方に尽きると思います。この場合、特殊メイクに凝るのもありだけど、橋本さんは少なくとも集団で襲って欲しいですよ。ゾンビ映画ってそこが惹きですよね。撮影時間などでできなかったのかもと思っちゃいましたけど、それをしないで「自分たちのつくった映画が自分の好きな映画とつながっている」みたいなセリフは感情移入できない。その最後めちゃくちゃになる感じがあれば、他は何も気にならない作品なはずなのに。いやぁ惜しいなぁ、と思っちゃいます。
 
【2012.09.14 Friday 18:14】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ダークナイト・ライジング」物語構成は実はヤクザ映画では?
前作の方がいいという人もいるけど、私は断然こちらですね。だってキャット・ウーマンがアン・ハサウェイですよ。笑

物語構造をよく見ると、実は健さん時代のヤクザ映画のような気がします。我慢して出て行くと、最強の敵がいて、乗り越える成長があって、最後は…って流れ。
だから、熱い。
ヤクザ映画の場合、乗り越える成長はこんなに描かれないかもですが。

細かいエピソードによる危機感のつくり方がうまくて、素晴らしい。

ずーっとドンパチせず穴蔵のような所が象徴的に描かれているのに感心します。あれがアメリカの罪とか闇だとすれば、そこを知った者がテロを起こし、それを知った者しか防げない。
また、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットらの活躍が好感触。アメリカが近代史上ではやっていない国内でのゲリラ的戦いを表現していて、これもなかなか嫌味です。

そしてラスト、アメリカのヒーローがああやって最後を飾るというのも…。

エンターテイメントとして突出していますが、それ以上に語られる「何か」を感じとれる気がしました。傑作。
 
【2012.08.12 Sunday 16:00】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ドラゴン・タトゥーの女」メジャーでこれだけできるとは
なんといっても、ルーニー・マーラの体当たり演技につきますね。
「ミッシング77」で企画段階でお尻の穴ネタを考えていたんですが、さすがに18禁になりそうなので、自粛しました。それが、ある程度見せないにせよ、ハリウッドメジャー易々とやっていたりして、あのシーンの衝撃度は高いです。やられたと思いました。

ということは前作スウェーデン版もそのシーンはあるのか、またはマイナーな分、もっとすごいことになっているのか、と思ってこちらも見ました。
すると該当のシーンは、ハリウッド版とは違い、セリフなどでは言わず、もしかしたらと感じさせる程度。なるほど、普通はこうですよ。D・フィンチャーがやはりいっちゃってるんですね。

さて、しかしながらD・フィンチャー版のすごい所は、後日談のへんのうまさ。まず、編集がうまいんですが、それはともかく。
ルーニー・マーラがある行動に出て、切ない結末が。この映画でそれをやるんだ、と。人間が画一的でなく見えます。素敵です。
 


【2012.05.09 Wednesday 10:43】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「コーマン帝国」ジャック・ニコルソンに泣く
ドキュメンタリーやエピソードはアカデミーを除けば、過去の有名エピソードでしめられ、名著「私はいかに…」の衝撃は超えられなかった。


(ここに書いてある手法はうちの低予算映画の教科書になっています)

しかしながら、これまでの映画史DVDでは決して出ることのなかったフッテージもあって、マニアにはたまらず、初心者にはB級映画入門になっている作品でした。
特にジャック・ニコルソンが感極まったり、アカデミーのスピーチはカッコよくて泣けますね。

ちょっと前に「マネーボール」を見て、ぐっときてしまいましたが、あそこでも新しい手法が野球を変えたという。ここでも、新しい手法が映画界を変えた。

日本を変える新しい手法は… 増税らしい。
今日のニュースにふさわしいオチでまとめてみました。


【2012.05.08 Tuesday 23:39】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「バトルシップ」宇宙戦艦ヤマトというより1000年女王
昔のアニメ「1000年女王」で古い戦闘機で異星人の戦闘機をバタバタ落としていくクライマックスを見た時は、腰が抜けましたが、30年近く経って、同じようなシーンに遭遇するとは。
ということで、「宇宙戦艦ヤマト」というより「1000年女王」です。

それでも、編集で疲れている僕にはカタルシスあります。多くのカットに横のびの光線が入っていて贅沢。あれだけでSFに見えるからね。

ミズーリは動態保存なんですね。そこがわかる伏線があってもよかったと思いました。


【2012.04.28 Saturday 18:37】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「ヒューゴの不思議な発明」子供のファンタジー映画にみせかけた映画創世記秘話
今はどうだか知りませんが、日芸の学生の頃の課題で「人間ドキュメンタリー」というのがありました。仲間たちのたいがいは、友人の夢を目指して活動する人とか、人を介してそこそこの名のある人を取材したりなどしていましたが、ひねくれものの僕は、すでに亡くなっていたG・メリエスを題材に選び、再現映像が今ほどポピュラーな手法でなかった頃に、友人たちのアパート、友人たちの出演(日本人)で、メリエスとジョアンナの物語を再構築しました。
メリエスのエピソードは、そのくらい映画好きには有名なものですが、一般には知らない人が多い題材です。

本作は明らかに子供たちというより、メリエスが主人公。子供は興行上の狂言まわしにすぎません。こんな大胆なペテン(失礼)いや、マジックで、映画の企画が通るなんて、なんて幸せな作品でしょう。もちろん原作の力もあるのでしょうが。

それがこの映画の第一印象でした。

そんなにメリエスで、観客はついてこれるのか、と思いましたが、意外にも某サイトのレビューなんか見たりすると好評価。「ファンタジーじゃないじゃん、がっかり」みたいな意見ないんですよ。
とはいえ、子供の冒険心をくすぐる工夫は沢山。最初の走り回るOPにはじまって、警察との追っかけや初恋風の物語、秘密の数々、小道具、不幸性など、なるほどうまく配置されています。こうやって固めれば、メリエスの映画創世記秘話も立派なファンタジーになるんですね。勉強になります。
ただ、学生時代に各地のアーカイブでメリエスの映画を見、8ミリ映画で色々合成してみたりという人間にしてみれば、あのメリエスのサイレント映画は決してファンタジーの領域に入る大過去ではなく、リアルな過去の日常の一齣くらいに思えてしまいます。「ALWAYS」同様あそこまで美化された過去にはなりえないんです。
そこが僕がこの映画に100%のめり込めない理由でした。絶対的に嬉しい映画なんですけどね。

【2012.04.01 Sunday 02:28】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
「TIME/タイム」これが不満なら何をつくればいい
傑作だと思います。娯楽作というのは、往々にして作品テーマや主張とのバランスをとるのが難しいのですが、これは見事。そして、主役たちのエンディングは、60・70年代の映画たちを彷彿とさせるようなイメージで、私たち民衆の気持ちをぶつける映画になっていました。

時間=お金のメタファーは誰にでもわかることですし、そういう時代の世界観の構築もすごいのですが、注目したいのは、脇に出てくる、ほんのわずかな端役の存在感。福祉事務所の青年とか、そこにいる少女の人生までもが想像したくなるんです。
そして、主人公が10年をあげた友人の死が、酒の飲み過ぎという意外性。それまで、ここでは1週間の時間を持っているだけでも殺されるみたいに、伏線かけまくっていていたのに、時間を持ちすぎて自業自得っていう人間の弱さによる不幸が描かれていたりします。
そして、走る=時間がない貧民というキーワード。主人公についていく元富裕層の娘セイフライドは、後半走りまくりますが、これが必死で生きている熱さを私たちに伝えてくれています。
前半、時間も、お金同様に市場により、上がったり下がったりするのもミソ。こうみると、私たちの不幸も、一部の富裕層がお金を牛耳っているからじゃないかしらん、と経済など勉強しなくても気づかせてくれる映画。

311以来、日本ではみんなが少しずつ助け合おうよモードになっていて、それは素敵なことなんですが、「カイジ2」や「ライアーゲーム 再生」まで、そんな流れになるのが、映画として幸せなことなのかしら、と思います。お金は、人類史上最もすごい発明のひとつであり、使い方で幸福にも不幸にもなる。そのテーマにはみんな行き着けるんですが、それで人は幸福感を感じられるのか、映画としてはカタルシスを得られるのか。
日本でも、本作のように富裕層がお金を貯め込んでいいて、自分たちのお金を守るために市場があり、上がったり下がったりします。私たちはその波に飲まれないよう、必死で船をこいでいるんです。そこを突く映画ができてこないのが、私たちの不幸のようです。

【2012.03.10 Saturday 22:13】 author : koshiy2010 | 外国映画2012 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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